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毒か薬か

基本的に週に一回の更新です。毒か薬にはなることを書きます。

時間移動に関する一つの問題

ここ数日、時間旅行に関する小説をたまたま連続して読む機会があったが、そのようなストーリーには大きくわけて二種類がある。

1:タイムマシンのようなものを使用して、精神と肉体のどちらもが過去または未来に移動する(例えば映画『バックトゥーザフューチャー』など)

2:意識だけが過去または未来に時間移動するもの(ドラマ『プロポーズ大作戦』など)

(一方で例えば『名探偵コナン』などは肉体だけが逆行する作品と言えるが、通常これをタイムトラベルとは言わない)

 

 

ここで、前提にされているのは精神と肉体の二元論的な世界観であるように思われる。「精神のみ」が移動するか、「精神と肉体」が移動するかという二つの可能性が許されているわけだが、このような二元論は実際には本質的なものなのだろうか。二元論というのであれば、論理的には「精神」と「それ以外の世界全体」ということも同じように可能である。

この場合、2のタイプの時間旅行はそのままの形で捉えることができるが、1のような時間旅行は本質的にありえないということになる。もしあり得るとすれば、精神も「世界全体」も時間的に逆行するはずだ。しかしもしこのようなことが起こったとしても、それをとらえる精神にとってはまさに何もおこっていないのと同じである。自分と一緒に世界そのものも逆行したとすれば、それは地球の自転と一緒に我々が移動しているのと同じように我々は常に「同じ場所」にいると自覚するだけだろう。

 

だからなのかはわからないにせよ、2のタイプのストーリーのほうが不思議と可能な世界のように見えてくる。