毒か薬か

基本的に週に一回の更新です。毒か薬にはなることを書きます。

すべてのみちは

すべての道はローマに通ず、という言葉がある。道という言葉の定義は非常に厄介であるというのはすでにお察しの通りであるが、ひとまずそのようなことをいったんおくとこれを真であるとしたとき、ひとつのかなり重要な結論が出てくる。それはつまり「あらゆる道はあらゆる場所に通じている」ということである。すくなくともローマさえ経由すればいけないところは(道がつながっている範囲であれば)存在せず、すべての場所に到達することができる。

 はじめてこのことわざを聞いたときにそのように思ったのと同時に、イメージとしてローマというのは円の中心にあってそこから放射状に世界のあらゆるところに道がのびているということを想像した。しかし実際にはよく考えてみればすべてが一次元的につながっていても、つまり直線上に並んでいてもよいわけである。

 

何かしらの専門的なことに従事していると、どうしても自分のいる場所が中心であるように思えてしまってそこから放射状にさまざまなことにリンクしているように思うし、まったくつながってないものがあるようにも思う。しかし実際にはすべてはつながっているし、そのつながり方は「つながっている」という事実からだけはわからないということになる。つながり方をしろうとおもったら、まず最初は地図なしでもその道を歩いてみようとするほかない、という結論に結局は思い至ることとなった。