毒か薬か

基本的に週に一回の更新です。毒か薬にはなることを書きます。

嘘なんて当たり前

世の中には嘘が多い(これも嘘かもしれない)。
結婚すれば幸せになるという主張がある(電車の中などでよく見るが、人にそんな大事な情報を簡単に教えていいものか)が、これは幸いにも多くの人が実践によって嘘であることを実証しているように見える。しかしこれほど反例が多いのにまだ実験を繰り返す人が多いのは、殊勝なことだ。論理的には反例はひとつで十分なのにも関わらず。
その他、へそを出して寝ると雷様にへそをとられる(へそなんか集めてどうするのか、いちいちそんなことを確認しているのかなどの疑問もさることながら、そもそもへそがなくなったってほとんど問題はないような気がする)、日本人は勤勉だ(鏡をみよう)、絶対に儲かる話がある(それなら自分でやってはどうか?)などがある。

何年か前から、いや今も流行っているけれどマイナスイオンというのが出るドライヤなどの家電製品が多くある。もちろん化学的な意味でのイオンが空気中にあるわけがないことは、中学生でも知っていることで、これは嘘だと普通は思う。しかし意外に多くの人がそのマイナスイオンと化学的イオンを同一視してる(そもそもドライヤから出るのはイオンではない)
これは明らかな用語の誤用で、それもやや意図的にされているから嘘だ、といえる。この嘘がさほど問題にならないのは、結婚のように実害が出ないので反例を導けないから、ということかもしれない。(プラシーボというのもある)。

科学は常に正しいものであってそれの正誤を疑うのは実に馬鹿馬鹿しいが、誰が科学を語っているかを見る必要はある。そもそもマイナスイオンが出たからどうだというのだろうか。マイナスイオンなんて毎日飲んでる水の中にもたくさんある。

嘘がない世界はない。嘘はなくても人は間違うから、結論は同じだろう。結局のところ、問題は嘘かどうかよりも、自分が嘘かどうかを判断する境界線の上からものをみているかどうかということだ。